【縁起物、暇つぶし、列車でも食べるし、正月や、結婚式で必須、食べるけど食べ物ではない、ひとりだと瞑想になるものなーんだ】
中国でお祝いの時は、結婚式でもお正月でも、クリスマスでもひまわりの種が必須!と中国人の友人が言った。
ひまわりの種は、中国で列車の中で食べてたのを見たので、カジュアルなものと思っていた。
しかし、結婚式とは。
ひまわりの種を食べながらおしゃべりするらしい。要はひまつぶしと。
私「いや、でも今どきはスマホで暇つぶしなんじゃないの?」
中国の子「中国人は、片手でTikTokをスマホで見ながら、もう一方の手でひまわりの種を食べる。」
私「えっ、ひまわりの種、片手じゃ無理じゃない?」
中「中国人ならば、子どもの頃から食べているから、片手で食べる。右手でも左手でも食べられる。ただし55歳以上はその時代、そんな余裕もなかったから、食べられないかもしれない。あ、でも余裕のあったお金持ちならば食べれるかもしれないね。」
ひまわりの種は、庶民のものだと思ってた。お金持ちならば、アーモンドとかでもいいと思う。でも、やっぱりひまわりの種なんだな。
中「中国の老若男女みんなたべるし、日本における飴みたいなものかな」
私「いや、日本人みんな、そんな頻繁に飴は食べない」
中「じゃ、日本の柿の種みたいなものかなぁ」
私「いや、それもそんなにしょっちゅう食べないし、そもそも柿の種は日本では結婚式に出てこないよ。必須ということならば、クリスマスにおけるケーキみたいなもの?」
中「いや、クリスマスにケーキはなくてもいいけど、ひまわりの種は必須。インフラ」
私「インフラ⁈」
中「1人で食べる時は何も考えない。リラックスするために食べる。」
私「!? 瞑想みたいな?」
お坊さんが数珠を数えるような瞑想の効果が?繰り返しの動作ってリラックス効果あるよね。
中「でも、今の若い子はスマホがあるから食べなくなった。」
私「?!そこスマホと比べるの?食べ物じゃないの?」
中「食べ物と思ってない。お腹いっぱいにならないから」
私「じゃあ、タバコとかビンロウにちかいもの?」
中「違う、ビンロウは、女性や子供に向かないでしょ?」
ひまわりの種と近い概念をもってるものってあるだろうか。
少なくとも日本ではない。
よくわからない流れで、ひまわりの種の早食い競争することになった。
だけど、中国人は、両手使えるんでしょ?
負けが見えてる…
中「ひまわりの種の歴史や食べる理由や効果をさっと説明するよ」
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中国人がひまわりの種を食べはじめたのは明朝時代に遡る。
晩清時代に主に食べられていたのは西瓜の種やかぼちゃの種、そして民国時代からひまわりの種が多く食べられるようになった。
コミニケーションツールとしての発祥は、中国の北部と言われている。北部の冬は長く、娯楽もなく暇なため、食べながら会話するのが習慣になり、中国全土に広まっていった。
現在も、家にお客を招待するときに用意することも多い。安く手頃で、ひまわりの種とお茶でも出しておけばお酒のように酔うこともない。
食べるときに、パチンパチンと音がでているし、手と口が動いてるので、話が途切れて沈黙しても気まずくならない。
加えて、ひまわりはいつも太陽に向いており、中国では明るく積極的な意味合いがある。そしてひまわりは毛沢東時代のシンボルでもあった。
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私「沈黙気にするの!?」
中「1日何時間もおしゃべりするから、話題が途切れる場合がある」
私「いや、沈黙になっても良くない?」
ひまわりの種は聞けば聞くほど万能な気がするがなぜ世界に広まらないのだろう…。